入管難民法改正案、衆院法務委通過 立民反対、修正は小幅に
外国人の収容・送還のルールを見直す入管難民法改正案が28日、衆院法務委員会で賛成多数により可決された。自民、公明、日本維新の会、国民民主の与野党4党が修正案に賛成し、立憲民主党と共産党は反対した。与党側は、大型連休明けの5月上旬に衆院を通過させる考え。
立民は、第三者機関による難民認定審査などの抜本的な見直しを要望。与党側は立民の主張を踏まえ、第三者機関設置の「検討」を付則に記すなどした修正案を示したが、立民は「不十分だ」とし、協議は決裂。自民・立民間の修正案は白紙となり、維新が求めた難民認定担当職員への研修規定の創設など、修正は小幅なものにとどまった。
改正案は、不法滞在などで強制退去を命じられても本国送還を拒む人の長期収容の解消が狙い。難民認定申請中の強制送還を認めない現行規定を変え、3回目の申請以降は「難民認定すべき相当の理由」を示さなければ送還する。
認定基準に満たなくても、難民に準じる人を「補完的保護対象者」として在留を認め、就労が可能な定住資格を与える制度を新設。不法滞在者らを入管施設に収容せず、本人の生活状況を報告する「監理人」を付ける代わりに一時的に施設外での生活を認める「監理措置」創設も盛り込んでいる。
https://www.sankei.com/article/20230428-EWGTHZEB7VMCVNHHPMSXEIMX7U/
入管難民法改正の背景
■許可された在留期間を超えて、不法に日本国内に滞在している外国人(不法残留者)の増加
不法在留者:8万2868人(令和3.1.1時点)
(コロナ禍のためか減少傾向。今後は増える見込み)
■摘発され国外への退去が確定したにもかかわらず退去を拒む外国人(送還忌避者)
送還忌避者:3100人余(令和3.1.1時点)
4233人 (令和4.1.1)
現行入管法の問題点(改正の必要性)
(1)現在の出入国管理及び難民認定法では、国外退去が確定したにもかかわらず退去を拒む外国人(送還忌避者)を強制的に国外退去させることが困難
■難民認定手続中の者は送還が一律停止
★申請の回数や理由等を問わない
★重大犯罪を犯した者やテロリストであっても送還停止
↓
☆一部ではあるが、難民認定申請を繰り返すことによって日本からの退去を回避しようとする外国人が存在する。
【参考】
退去強制令書が発付されたにもかかわらず退去を拒む外国人(送還忌避者)(令和2年12月末(速報値・概数))
①送還忌避者:約3100人
(収容中:約250人、仮放免中:2400人、手配中:約420人)
②送還忌避者で1年を超える実刑判決を受けた者:約490人
(収容中:約100人、仮放免中:350人、手配中:約40人)
③送還忌避者で3年以上の実刑判決を受けた者:約310人
(収容中:約60人、仮放免中:230人、手配中:約30人)
④送還忌避者で難民認定申請3回以上の者:約540人
(収容中:約30人、仮放免中:490人、手配中:約10人)
コメントを残す