平成アニメ史2009-2019編:新海誠が大ブレイクしポスト宮崎駿も台頭、フル3DCGのアニメが続々

IGN JAPANによりますと、

『君の名は。』が大ヒット、
ネット配信も始まります

2009年から2019年あたりとなると、
わたしよりも多くの本数のアニメを
リアルタイムで見て来た世代で、
何を語っても抜けがあったり誤解が
あったりしていろいろと突っ込まれそうです。
それでも、この10年を振り返ることで
わたし自身のアニメに対する認識を
整えたいという思いもあって、
気力を振り絞っていろいろと考えていきます。

この10年で何が印象として強く
残っているかと言えば、
新海誠監督の大ブレイクでしょうか。
2016年公開の『君の名は。』が興行収入で
250億円に届く大ヒット作となり、
日本の作品では宮崎駿監督の
『千と千尋の神隠し』の308億円に続く
歴代興収の第2位に名を連ねました。
洋画を除けば3位が宮崎監督『ハウルの動く城』
で4位が『もののけ姫』ですから宮崎アニメに
割って入った格好です。
2018年公開の『名探偵コナン ゼロの執行人』が
あれだけ話題になっても90億円ですから、
飛びっぷりの凄さも分かります。

2011年に手がけた長編アニメ映画
『星を追う子ども』は、
異界に向かう少女の冒険という、
ジブリアニメ好きがシームレスに入っていけそうな
内容と絵柄を持っていましたが
興行的には苦戦しました。
ならばと2013年に46分と短めの映画
『言の葉の庭』を送り出し、
『秒速5センチメートル』のような男女の
すれ違う関係を物語に取り戻しつつ、
東京の風景をリアルに美しく描いて、
その作家性をあらためて見せました。

そして『君の名は。』です。
ラブコメのような要素もありながら
すれ違う男女という昔ながらの主題もあり、
時間を超える壮大な設定もあって驚かせ、
最後に『秒速5センチメートル』のような
諦観には向かわない関係を描いて、
見る人を喜ばせました。
こうして“国民的”となってしまった新海誠監督が、
続く『天気の子』で何をどう描くのかが、
令和という元号において最初のアニメ界的な
トピックになるでしょう。

続くのが宮崎駿監督の復帰作品?
ただいつできるのか、
本当にできるのかが見えてないうちは、
ポスト宮崎駿と世間から言われ続けた監督や、
新しく出できたクリエイターから
誰が抜け出すかに注目が集まりそうです。
例えば細田守監督。
『時をかける少女』こそ原作付きでしたが、
2009年の『サマーウォーズ』から
2012年の『おおかみこどもの雨と雪』、
2015年の『バケモノの子』とオリジナル作品で
しっかりとしたヒットを飛ばしています。

2018年公開の最新作『未来のミライ』
レビュー)は少し成績が落ちてしまいましたが、
海外では人気でアニー賞で
長編インディペンデント作品賞を
日本人として初めて受賞し、
アカデミー賞にもノミネートされました。
この10年で“国民的”な場までもっとも近づいた
監督と言えるかもしれません。

『カラフル』、
『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』と来た原恵一監督は、
平成も終わりに迫った4月26日に最新作
『バースデー・ワンダーランド』(レビュー)が公開と、
コンスタントに作品を作り続けています。
2017年に『夜は短し歩けよ乙女』(レビュー)と
『夜明け告げるルーのうた』(レビュー)を
立て続けに公開し、
『夜明け告げるルーのうた』がフランスの
アヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門で
最高賞のクリスタル賞
となった湯浅政明監督は、
令和に入った2019年6月21日に
新作『きみと、波にのれたら』の公開が控えています。

そして片渕須直監督。
2001年の『アリーテ姫』からしばらく経った2009年に
『マイマイ新子と千年の魔法』を手がけ、
昭和30年代と千年前の山口県防府市あたりの風景や
生活を今に甦らせる描写、
そして子どもたちの日常をとらえた展開で
アニメ好きに限らないファン層を得ました。
当初の不入りをそうしたファンが支え、
片渕監督自身も積極的に舞台挨拶に立って劇場に
観客を呼び込み、作品を埋もれさせませんでした。

そうした姿勢は2016年公開
『この世界の片隅に』でも活かされ、
昭和のはじめごろの日常をしっかりと描いた内容、
そして積極的なプロモーションの効果によって
年間を代表するアニメ映画となりました。
現在はその長尺版となる
『この世界の(さらにもうひとつの)片隅に』の
制作が進められている最中で、
12月20日という公開によって、
昭和という時代が平成を経て令和へと繋がりそうです。

令和に入ってからは、『天元突破グレンラガン』、
『キルラキル』の今石洋之監督が
中島かずき脚本で作った『プロメア』が公開されます。
テレビシリーズの続編となる
『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』も
5月10日から劇場で限定上映されます。
6月14日公開の河森正治総監督による
『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』、
6月7日公開の渡辺歩監督『海獣の子供』
9月20日公開の伊藤智彦監督『HELLO WORLD』と、
監督名や作品名で興味を誘う作品もぞろぞろと並びます。
ライトノベルが原作の
『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』、
『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』もあります。

ほかにも見落としている作品があるうえに、
ディズニーやピクサーといった海外作品が加わり、
プリキュアであったりコナンであったり
ポケモンであったりワンピースであったりといった、
人気シリーズの劇場版も入ってきます。
アニメ映画天国とも言えそうな状況が、
令和という時代にはやって来ることだけは確実と言えそうです。

2009年以降の作品として、
『虹色ほたる~永遠の夏休み~』や『ハル』や
『REDLINE』や『とある飛空士への追憶』や
『ももへの手紙』や『宇宙ショーへようこそ』や
『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』や
『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』や『伏 鉄砲娘の捕物帳』など、
挙げたいアニメ映画はほかにもわんさかあります。
『リズと青い鳥』(レビュー)や『若おかみは小学生!』も
語れば語りまくれる作品ですが、
そうした作品性とは別に技術的な面で大きく進歩した、
3DCGによるアニメーション映画が増えて来たのも
この時期にあたると言えます。

振り返れば、
1998年にフィギュアニメーションと名付けられた
『VISITOR』が上映され、
フィルムを使わないデジタルシネマとして上映された
『A・LI・CE』の上映が2000年にあってと、
どこか実験性をはらんだ3DCGアニメーションの上映は
行われていました。
本気モードで言うなら2001年に当時のスクウェアが
「ファイナルファンタジー」シリーズの生みの親、
坂口博信の元で作り上げた映画
『ファイナルファンタジー』があって、
今に通じるスクウェアのフォトリアル系3DCGの凄さを
見せてはくれました。

こうした流れとは別に、
2Dのアニメ的なルックを3DCGで作って見せる技術も
進化・発展が進んだようで、
2012年に神山健治監督による
『009 RE:CYBORG』が公開され、
2014年に水島精二監督
『楽園追放 -Expelled From Paradise-』が公開されて、
セルルックっぽさを残したキャラクターを
あまり違和感なく見ることができました。

『009 RE:CYBORG』を手がけたサンジゲンは
テレビシリーズで
『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ』を放送し、
その劇場版を2作、
映画として公開して2Dのようなルックの
当時の到達点を見せてくれました。
『ID-0』、『ブブキ・ブランキ』といった
テレビシリーズも放送されました。

日本のCGスタジオとして長い歴史を持つ
ポリゴン・ピクチュアズも、
テレビや映画のアニメを手がけるようになって
『シドニアの騎士』や『亜人』といった作品を
送り出してきました。
『GODZILLA 怪獣惑星』から続く3部作も公開され、
次の作品としてはテレビシリーズ
『空挺ドラゴンズ』が発表されています。

オレンジが手がけた『宝石の国』は鉱物でできた
キャラクターの表現が3DCGとマッチして
硬質で繊細な印象を醸し出しました。
VFXで知られる白組も2019年に
『revisions リビジョンズ』を送り出して来ました。
2D作画の人材に限界があるなら3Dで行くしかない、
といった判断も作り手側に働いて、
3DCGによるアニメはこれからも増えていきそうです。

少しテレビアニメにも目を向けましょう。
2010年代を代表するアニメは何か、
と問われてこれだと答えるには作品が多すぎます。
大洗への聖地巡礼を引き起こした
『ガールズ&パンツァー』だと言いたいですし、
男女を問わず楽器ブームを起こした
『けいおん!』だとも言いたいです(第1期は2009年)。
『とらドラ!』以降、『僕は友達が少ない』と
『俺の妹がこんなに可愛いはずはない』、
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている』と続く
ライトノベル原作の青春ラブコメも多々あります。

男子の集う姿に女性ファンが熱中する『おそ松さん』や
『ハイキュー!』、『黒子のバスケ』といった作品』も
挙がります。
『宇宙より遠い場所』であり『ポプテピピック』であり
『けものフレンズ』であり『ケムリクサ』だと
最近の話題作を挙げたくもなりますが、
長い支持を受け続けているという意味では、
『魔法少女まどか☆マギカ』が挙げられるでしょうか。

2つの衝撃に見舞われたアニメでした。
街で悪さをする魔女という存在がいて、
それを退治する魔法少女たちがいて、
まだ普通の女の子だった鹿目まどかに
愛らしいマスコットが魔法少女になろうと誘いかける、
いわゆる魔法少女ものによくある展開でした。
キャラクター原案も『ひだまりスケッチ』の
蒼樹うめですから、ぽわぽわとした可愛らしいキャラクターが
魔法少女ものの世界によく似合っていました。
そこに放送された第3話が衝撃でした。

魔法少女のひとりだった巴マミを襲った惨劇。
唐突とも言えるその展開が
『魔法少女まどか☆マギカ』を勧善懲悪の
魔法少女ものとは違った、
魔法少女という存在そのものに疑問を投げかけ
意味を問い直す作品だということを明らかにさせました。
以後、正義と平和の象徴だった魔法少女から
悲痛の叫びが上がるようになって、
いったいどこに連れて行かれるのかと
視聴者たちを毎週騒然とさせていました。

まどかは、
ほむらはどうなるのかといった関心がピークに高まった3月、
東日本大震災という衝撃に見舞われました。
この発生でアニメの放送は中断され、
3月中の完結がなくなりましたが、
4月に入って残り話数の放送が行われて物語は完結。
そこで繰り広げられた自己犠牲とも言える帰結に
納得したくないファンの声もあったのか、
ほむらによる反逆の物語が
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』
として帰ってきました。
ここで一応の完結を見たのか否か。
令和となった元号のなかで新しい物語が動き出す可能性を、
ファンは今も待ち続けています。

『まどか☆マギカ』への支持はそのままシャフトであり、
新房昭之というクリエイターへの支持にも繋がっている印象です。
西尾維新の原作をアニメ化していく
『化物語』から始まった「物語」シリーズで、
独特の絵柄や見せ方によって原作の持つ雰囲気を
再現してみせました。
小説は読まなくてもアニメは見ている人も多そうです。

アニメとライブエンターテインメントとの連動、
というのもたぶん、
この10年くらいで一気に膨らんだのではないでしょうか。
『マクロスF』でのランカ・リーを演じた中島愛、
シェリル・ノームの歌を担当したMay’nがリアルなライブで
活躍していたこともありますが、
『ラブライブ!』という作品ではテレビアニメに登場する
μ’sというアイドルユニットのメンバーを演じた声優たちが、
同じ様なコスチュームをまとってリアルのライブに登場して、
同じ振付で歌ってリアルとバーチャルの狭間をなくす
という試みで大成功を収めました。

前段としてゲームの『THE IDOLM@STER』の
声優ユニットもありましたが、
『ラブライブ!』はより明確に
リアルとバーチャルの融合を推進。
それは『ラブライブ!サンシャイン!!』のAqoursへと続いて、
今も映像に、そしてリアルなライブにと活動を続けています。
後に続けと登場した『Wake Up,Girls!』は、
オーディションから始まってアニのなかと、
実際のライブでの成長を並行して見せようとする展開で、
アーリーアダプターを目指したいファンを獲得しましたが、
限界もあったようで2019年に活動を終えました。

一方で、プリティーシリーズの『プリパラ』に出演していた
アイドルグループのi☆Risは、声優としても、
アイドルユニットとしても独自に活動を続けています。
「マクロス」シリーズでは『マクロスΔ』から戦術音楽ユニット
「ワルキューレ」が飛び出しライブなどで活躍中。
新作が作られるという話もあって、
これからの登場にも期待がかかります。

今はブシロードがプッシュする『BanG Dream!』の
活動が目覚ましいようです。
アニメのなかと同じように声優が楽器も弾いてライブをするという、
歌って踊る以上の難題をこなしたユニットが次々に出てきては、
日本武道館などでライブをするまでになりました。
アニメの方も第2期が始まり、
フル3DCGのキャラクター表現ともども次代のアイドルアニメの
ビジョンを見せてくれています。
次はどのような企画が動いているのでしょうか。

2018年初頭の話題を『けものフレンズ』と二分した
『ポプテピピック』の凄さにも触れておきましょう。
前半と後半で同じ内容であるにも関わらず、
声優をすべて取り変えてしまうという無茶が話題となっていますが、
わたしとしてはそこに個人なりチームなりでアニメーション作品を
作っているクリエイターが、多く起用されたことが驚きでした。

フェルト製のポプ子とピピ美が歌に乗って躍る
「恋してポプテピピック」を手がけたUchuPeopleの2人は、
当真一茂も小野ハナも共に東京藝術大学大学院映像研究科
アニメーション専攻を修了したアニメーション作家です。
小野ハナに至っては、
修了作品の『澱みの騒ぎ』で第69回毎日映画コンクールの
大藤信郎賞という伝統ある賞を獲得した俊才です。

「ポプテピクッキング」の関口和希も
「ベーコンムシャムシャくん」の胡ゆぇんゆぇんも
「ポプテピピック昔ばなし」の佐藤美代も
「POP TEAM COLLAGE」の幸洋子もやはり藝大院の修了生。
一方で、青山敏之や山元準一のように個人制作で
活躍してきたクリエイターも起用して
商業作品にぶち込んで見せたディレクションが狙ったのは、
NHKのEテレくらいしか出会う機会のないインディペンデントの
アニメーション作家を世の人に知ってもらい、
商業とアートの垣根を取っ払おうとしたものだったのでしょうか。
おもしろければ商業もアートもない
という判断からだったのでしょうか。

『ポプテピピック』自体が声優の取り替えも含め、
無茶ができるタイトルだったことも追い風になりました。
ここからアート系、あるいはインディペンデントと呼ばれる
アニメーション作家たちに注目が当たれば幸いです。
ベルリン国際映画祭で銀熊賞をとった和田淳であり、
世界4大アニメーション映画祭のすべてでグランプリを獲得した
山村浩二であり、
アカデミー賞短篇アニメーション賞を獲得した
加藤久仁生といった名前ですら覚えられていないアニメの界隈で、
個人のアニメーション作家が名を知られ、
作品を世に出す機会が増えれば良いのですが。

平成のアニメ界で起こった現象を挙げるなら、
HuluでありAmazon Prime VideoでありNetflixといった
ネット配信事業者がアニメの配信に
力を入れ始めたことがあるでしょう。
湯浅政明監督の『DEVILMAN crybaby』(レビュー)を始め
Netflixオリジナルで提供されたアニメは、
日本のみならず世界で見られて日本のアニメ力を
一足飛びに広めています。
『やわらか戦車』のラレコが手がけた『アグレッシブ烈子』は、
日本では今ひとつなのに欧米で大人気になっています。

作品からは日本向けといった概念すら薄れ、
『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』を手掛けた
入江泰浩が『カウボーイビバップ』の川元利浩と手がけ、
2020年に配信されるという『エデン』は、
プロデュースや背景美術に外国のプロデューサーや
クリエイターが関わり、
制作もニューヨークにあるQubic Picturesといった具合に
ワールドワイドな布陣となっています。

日本の才能がこうして海外に“買われ”て
ワールドワイド向け作品を作っていったとき、
日本のファンが好む日本人向けの作品は
どうなってしまうのでしょうか。
資金力では配信事業者の資本なり
中国資本にかなわなくなっているとき、
日本人のクリエイターが日本人向けに作りたいアニメを
作り続けられるような環境を、
やはり整備する必要があるのではと思えます。
日本人向けのクールさを海外のファンも喜んでいるんだという伝説が、
いつまでも続くとはやはり思えないのです。

といった感じで、
1989年から2019年あたりまでの平成アニメを
ざっと振り返ってきました。
穴だらけで取りあげられていない作品の方が
多すぎるというご批判は甘受します。
だからここを基点にして、自分なりの、
自分だけの平成アニメ史を振り替えってもらえれば幸いです。
『lain』は見ろ、そして『ジェネレイターガウル』復活を叫べ、
とだけ言ってこのシリーズを締めたいと思います。

あとアニメおじさんの合い言葉としての「ガルパンはいいぞ」を。

引用元:https://jp.ign.com/heisei-anime/35155/feature/2009-20193dcg

まとめ

最近のアニメタイトルが書かれた記事なので、
なるほどなぁと感心しながら読むことが出来ました。

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