「まずはポイントを動かしてほしい」 KDDIに聞く、スマホ決済「au PAY」の狙い

ITmedia Mobileによりますと、

KDDIのコード決済「au PAY」が4月9日にスタートしました。
au PAYは、auユーザーが持つ電子マネー「au WALLET」を
使って支払いができるサービスです。
au WALLETアプリからバーコードを表示させて、
店頭で読み取ってもらうことで支払えるそうです。

au WALLETは、当初はプリペイドカード、
その後、クレジットカードに対応し、
Apple Payでも使えるようになりました。
Androidスマホでau WALLETの非接触決済を
利用することは現在できませんが、
コード決済ならOSを問わず利用できます。
au PAYではau WALLETの決済手段を、
auのスマートフォン全体に拡充した形です。

QRコードを使ったスマホ決済は、
「PayPay」「d払い」「LINE Pay」「楽天ペイ」
など競合がひしめく中で、
KDDIはどのような戦略で攻めるのか。
KDDI ライフデザイン事業本部 新規ビジネス推進本部
副本部長の中井武志氏に話を聞いたそうです。

KDDIの中井武志氏

なぜ「コード決済」なのか?

―― au WALLETでは、非接触決済サービス(Apple Pay)や
カード決済(au WALLET プリペイドカードとクレジットカード)を
やっている中で、なぜコード決済を追加したのでしょうか?

中井氏 大きくは2つあります。
1つは、auユーザーにはバーチャルな口座(au WALLET)が
2000万以上あります。それを物理のプリペイドカードと
Apple Payで使っていただける状況は作っています。
そんな中で非接触が便利だと思われている方が
大半だと思われがちですけど、
そのまま物理カードで使っているお客さまが相当いらっしゃる。

意外と利用者が多いという、au WALLETの物理カード(写真はプリペイドカード)

当たり前ですが、
最後の使い方はお客さまが選択されればいいと思っていて、
多様な手段を準備していくことが必要だと思っています。
今回はコード決済ですけど、今後、時間の流れの中で、
違うインタフェースが出てくれば、
それは積極的に検討していきたいと思います。

もう1つが加盟店の視点です。
中規模以上でPOSが入っている加盟店は、
それなりの存在感のある決済サービスなら採用するでしょうけど、
中小の店舗はそうはいきません。
今のスマホ決済ブームが終わった後でも、
継続的に加盟店が採用していただける状態を作ろうとすると、
手数料の問題は重要です。
その中で仕組み上、低料率で抑えられるコード決済は、
加盟店拡大という観点でも可能性を感じています。

KDDIは加盟店向けに、決済用の「au PAY for BIZ」アプリを無償で提供する。
2021年7月までは手数料が無料なので、
店舗側はアプリを使うスマホやタブレットさえあれば、
無料でau PAYを導入できる

―― 物理カードを使っている人が意外と多いということですが、
コード決済なら、そういう人たちにも使ってもらえるということですか。

中井氏 使える場所がどれだけ増えるかによってくるかと思います。
後は、初回の利用(ハードル)をどう超えていくのかも重要です。

―― カード決済よりも
スマホ決済を増やしたいという狙いがあるのでしょうか?

中井氏 決済だけではなくて、
スマホ1台でできる範囲がどんどん広がっています。
加えて他の金融サービスも、
ここを入り口にしながらシームレスにつながっていくと、
分断された手続きがまとめて行えます。

au PAY開始に合わせて、KDDIは「au WALLET」アプリをリニューアル。
他の金融サービスも横断して利用できるよう工夫。
ちなみに、Apple Payの決済画面を呼び出せるショートカットも用意している

キャリア決済のオートチャージはイチオシ機能

―― オートチャージは、
キャリア決済以外の手段には対応しないのでしょうか?

中井氏 じぶん銀行の口座をお持ちの方には、
オートチャージは提供しています。
かんたん決済でのリアルタイムチャージは、
僕としてはイチオシの機能です。
auに契約しているだけで全ての人が対象になりますし、
今月使っても来月のお支払いなので、
「後払い」という特徴もあります。

auかんたん決済(キャリア決済)を利用したオートチャージも可能

―― じぶん銀行以外の銀行からのチャージはいかがですか?

中井氏 いろいろお話はさせていただいていますが、
自分たちでも銀行業はやらせていただいていることもあり、検討中です。

―― (じぶん銀行の口座連携によって使える)個人間送金は、どれだけ使われているのでしょうか?

中井氏 今のところ、そこまでの大きな動きにはなっていません。
ここも、他社サービスも見させていただきながら、
UI(ユーザーインタフェース)を磨いて、
より使われるような状況にしていきたいですね。

―― 今のところ、
ユーザーがQRコードを表示して読み取ってもらうタイプ
しかありませんが、店舗に提示したQRコードをユーザーが
読み取るタイプの支払い方法もありますか?

中井氏 準備はしていて、近々に対応する予定です。
もともとコード決済をやろうと思ったときに、
店舗提示型やお客さま提示型など、
いろいろな仕様を一通り準備しようとは決めていました。

店舗がバーコードを提示するタイプも準備中

―― 店舗向けアプリは自前の「au PAY for BIZ」を用意されますが、
サードパーティーのPOSアプリと連携する予定はありますか?

中井氏 「Airペイ」さんとかは、
組み込んでいただける状態にしていますので、
他社アプリとの連携もやっていきます。

―― au PAYを利用できる店舗数はどれくらいあるのでしょうか?

中井氏 開示はしていません。

―― 発表会で紹介された店舗の中で、
4月9日時点でどれぐらいが使えるのでしょうか?

中井氏 調整中のところもありますので、
アプリなどで使える店舗は明確にしていきます。
店舗は随時追加していきます。
(対応店舗の詳細は、au PAYのWebサイトも参照)

サービス開始当初にau PAYを利用できる店舗
(一部は4月12日~下旬以降の対応)

―― セブン-イレブンやマツモトキヨシなど、
au WALLETのポイントアップ店でありながら、
au PAYに対応していないところが多い印象です。

中井氏 まだ言えないところがありますが、
そこも(au PAY対応の)準備はしています。

―― 店舗数でいつまでに何店舗といった目標は立てていますか?

中井氏 内部的には目標は立てています。
競合サービスでは「20%還元」とか
「100万箇所」とかがアピールされているので、
そこはすぐにやりますよ、とは申し上げています。
それで終わりだとは思っていない。
むしろ、ここから力を入れていきたいと思っています。

―― 楽天ペイとメルペイの加盟店は、
具体的にどういう仕組みで連携するのでしょうか。

中井氏 会社によって状況が違うのが実態です。
例えば楽天さんの場合、楽天さんが開拓された店舗には、
楽天ペイとau PAYのアクセプタンスマークが2つ貼られます。
加盟店との契約形態は、
楽天さんとKDDIが包括契約を結んでいますが、
楽天さんの精算スキームにau PAYが乗る形になります。

メルペイさんは違うスキームで、お互いが開拓する中で、
両方一緒に申し込みをいただく形になります。

いろんなプレーヤーが入っていて料率が
高くなっているのが今の状況なので、
相互に面を増やしていくような協力体制が
組めるといいと思います。
僕らも基本的にはオープンなスタンスで、
いろいろな事業者の方とお話をさせていただいています。

―― ローソンや量販店など大手に関しては、いかがですか?

中井氏 大手は個社に契約しているので、
ローソンさんでいえば、楽天とローソン、
KDDIとローソンという契約形態になります。

―― 加盟店の手数料0%キャンペーンは、
ひとまず2021年7月までですが、その後はどうなるでしょうか。

中井氏 手数料は状況を見て決めようとは思います。
(決済手数料には)3.25%という基準はありますが、
そういう状態にはならないと思っています。

「脱埋蔵ポイント」を最重要視

―― 他キャリアのユーザーは、
いつau PAYを使えるようになるのでしょうか?

中井氏 現在、au IDを使えるのはauユーザーだけですが、
夏に開放するタイミングで、au PAYも使えるようになります。

―― 今のスマホ決済サービスは、
キャンペーン合戦になっています。
ここにどう攻め込んでいくのでしょうか。

中井氏 これだけ加熱すると、状況を見ながら、
うちもやる部分は継続してやっていこうとは思います。
一方で、もう少し時間軸を伸ばして見ると、
継続して使っていただける状況をいかに作るかが重要です。
そういう仕組みを持っていることがうちの強みだと思います。

―― キャンペーンで「最大26.5%」のポイント還元を
打ち出していますが、これはauスマートパスプレミアムの会員が、
三太郎の日に食べログの対象店舗で支払った場合です。
多くのユーザーがお得感を享受できないと思うのですが。

キャンペーンは最大還元率こそ他社よりも高いが、条件は限られる

中井氏 キャンペーンに関してはいろいろ考えました。
今回は「脱埋蔵ポイント」という言葉も出しましたが、
「まずはポイントを動かしていただけませんか?」を
最初の入り口にしています。
ポイントを動かすことで価値変動を起こして、
「たまるサービス」「お得に使えるサービス」を
増やしていきたいと思います。

―― リソースは、コード決済に割いていくのでしょうか?

中井氏 お客さんのリワードが点在しているので、
それをポイントに集中していこうというのが1つ。
まずポイントに注力して、その中で、
決済は分かりやすいですけど、
決済以外のスマートマネー構造、金融サービスに対しても、
お客さまが簡単に使っていただけるような世の中を
作っていきたいと思います。

―― 今回のようなキャンペーンはau PAYだけでなく、
Apple Payや物理カードのユーザーを対象にすることも
あり得るのでしょうか。

中井氏 そういうことも、考えていくべきだと思っています。
今回はau PAYを始めたばかりということで、分かりやすく、
「まずは1回使ってみてください」という立て付けにしています。

手数料での収益は考えていない

―― キャンペーンでそれなりの投資をしていますが、
ビジネスモデルはどうなるのでしょうか。

中井氏 今回のキャンペーンによる事業影響は織り込んでいます。
まずは使っていただける環境を
しっかり作っていくことをベースに考えています。
auフィナンシャルホールディングスも設立しましたが、
弊社の特徴は、別の金融サービスにつながりを持てるところが
大きいと思っています。Walletアプリからの連携も簡単にできます。

―― 収益はローンや資産運用のサービスも含めてということですね。
手数料で収益を上げることは……。

中井氏 今は考えていないですね。

―― キャッシュレス推進協議会を中心に、
コード決済の仕様を統一化する動きも出ていますが、
このあたりにはどう関わっていきますか?

中井氏 当社も参加しているので、
ユーザーが提示する形のものは、決まった仕様に準拠しています。
ユーザーの操作が複雑、煩雑になるのはよくないことは、
基本思想として持っています。

―― 決済サービスが乱立している中で、
ユーザーと加盟店がau PAYを使うメリットを
あらためて教えてください。

中井氏 たまったWalletポイントを見て、
お得にチャージをする経験をしていただけるとうれしい。
今回はキャンペーンもあるので、
コード決済を使っていただけるとありがたいですが、
それ以外の手法もあるので、
これを機にスマホ決済が便利だと思っていただけるとうれしい。

お店側にとっては手数料の話もありますし、使っていただいて、
お客さまが来ていただける部分が重要だと思います。
三太郎の日に20%増量するという話が強調されていますが、
それ以外の日でも、スマートパスのクーポンとの合わせ技で
送客することもできます。こうした会員基盤の重ね合わせは、
加盟店様にとってもメリットがあると思います。

取材を終えて:継続して使える仕組み作りが重要

中井氏が強調していたのは「まずは1回使ってみてほしい」
「ポイントを動かしてほしい」という点。
4月4日の発表会では、auユーザーが1000億円以上の
au WALLET ポイントをため込んでいることが明かされ、
1000ポイント以上をためている人は1400万人超、
1万ポイント以上をためている人は約100万人いるということです。

ただ、1000ポイントや1万ポイントは、日常的に買い物をすれば、
すぐに使い切ってしまう額です。
今持っているポイントを使い切った後でも継続して
使ってもらえる仕組み作りが重要です。
auかんたん決済を活用したオートチャージはその1つの手法だが、
それだけなら、よりお得な大型キャンペーンを展開している
「PayPay」や「LINE Pay」の方がいい、と思う人も多そうです。

筆者は「auピタットプラン」に契約しているライトユーザーですが、
au STARロイヤル 長期優待ポイントは毎月40ポイントしかたまらず、
(しばらくポイントを使った記憶がありませんが)、
現在も460ポイントしかたまっていません。
このように、ライトユーザーに対してどう訴求するかも課題といえます。

KDDIでは、Apple Payを介したau WALLETの決済と、
au PAYを介した同決済をまとめて「スマホ決済」と呼んでいますが、
アプリからワンタップで支払えるau PAYは、
Apple Payよりも圧倒的に利用ハードルが低いことは確かです。
ここに昨今のスマホ決済ブームとの相乗効果で、
au PAYが一気に使われる可能性はあります。
まずはauユーザーの動向やKDDIのかじ取りを注視したいです。

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引用元:https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1904/09/news055.html

まとめ

様々な〇〇PAYがありますが、
auの知名度を考えれば、結構普及しそうですね。
僕もau WALLETを使っているので、
早速インストールします。

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