サードウェーブのゲーマー向けPCブランド「GALLERIA」シリーズは,
ローエンドモデルの「R」シリーズから,
ハイエンド市場向けの「U」シリーズまで,
4種類のシリーズをラインナップしています。
これらは,
いずれも共通のGALLERIA専用PCケースを採用しているので
外観では見分けが付きませんが,
GPUとCPUの組み合わせによって,
幅広い選択肢があります。
ハイエンドシリーズであれば,
リアルタイムレイトレーシングや4K解像度で表示したり,
フルHD解像度での240Hz表示を行ったりといった具合に,
高画質かつ高フレームレートでゲームを快適にプレイすることが可能です。
とはいえ,
エントリークラスでも,
フルHD解像度であれば多くのゲームをストレスなくプレイできます。
4Gamerではこれまで,
ハイエンドモデルの「GALLERIA UA9C-R80T」,
ローエンドモデルの「GALLERIA RM5R-G60S」,
そしてミドルレンジの「GALLERIA ZA9C-R38」
という3製品を紹介してきました。
今回紹介するのは,
GALLERIAの中でもエントリークラスに位置付けられる
「X」シリーズの1台である「GALLERIA XA7C-G60S」です。
クラス分けとしてはエントリーですが,
eスポーツの人気タイトルを,
ほぼ無理なく遊べるだけのスペックを備えた,
まさにゲーマー向けPCを初めて購入する人へお勧めの1台です。

今回は,
XA7C-G60Sの性能をベンチマークだけではなく,
実際にゲームをプレイした実感で伝えます。
なお,
本稿で扱う評価機材の仕様は,
すべて記事公開時点のものであり,
今後は変更される可能性があることをお断りしておきます。
目次
XA7C-G60Sのスペックを確認
eスポーツタイトルに十分な性能を備える
まずは試用機のスペックを一通りチェックしてみましょう。
XA7C-G60Sが搭載するCPUは「Core i7-10700F」です。
8コア16スレッド対応の第10世代Coreプロセッサで,
統合型グラフィックス機能(内蔵GPU)は搭載しないタイプです。
ゲーマー向けPCは,
搭載するグラフィックスカードにGPU性能に委ねているので,
CPU自体にグラフィックス機能がなくても問題ありません。
むしろ,
多少とはいえCPUが安価になる利点もあるので,
エントリーモデルのゲームPCとしては妥当な選択でしょう。

GeForce GTX 1660 SUPER
搭載カード。
2スロット仕様の短尺版です
内蔵するグラフィックスカードは,
NVIDIAの「GeForce GTX 1660 SUPER」を搭載するものです。
XA7C-G60Sのグラフィックスカードはシングルファン仕様で,
カードサイズが短い短尺モデルを使用しています。
リアルタイムレイトレーシングには対応しませんが,
描画負荷が低めのゲームタイトルであれば,
フルHD解像度で高いフレームレートの映像を表現できるので,
一般的なeスポーツタイトルをプレイするには十分なGPUと言えます。
メインメモリはDDR4-2666の16GB(8GB×2)で,
ストレージは容量512GBで
PCI Express(以下,PCIe) 3.0接続のM.2 SSDとなっています。
なお,
BTO標準構成では,
HDDドライブや光学ドライブは内蔵していませんが,
BTOメニューからストレージを追加して購入できるので,
もっと多くのストレージ容量が必要という人や,
DVDやBDをPCで扱いたい人は,
注文時に追加するといいでしょう。
XA7C-G60Sが採用するマザーボードは,
Intel H470チップセットを搭載する
ASUSTeK Computer(以下,ASUS)製「PRIME H470-PLUS」です。
ゲーマー向け特化のマザーボードではありませんが,
M.2スロットを基板上に2基備えるほか,
PCIeスロットもx16×2,
x1×4と豊富に備えている。
本機をベースに市販のPCパーツを使って
拡張していく使い方にも十分に対応可能です。

標準のM.2 SSDは,マザーボードの下側,
M.2 SSD用ヒートシンクの下にあります
評価機の主な仕様を表にまとめておきました。
税込価格は13万1978円と,
ゲーマー向けデスクトップPCとしては手の届きやすい価格は,
ゲーマー向けPCに初挑戦する人にも歓迎されそうです。
表 XA7C-G60Sの主なスペック(本稿公開時点の構成)
CPU | Core i7-10700F (8C16T,定格2.9GHz,最大4.8GHz, 共有L3キャッシュ容量16MB,TDP 65W) |
メインメモリ | DDR4 2666MHz 16GB(8GB×2) |
GPU | GeForce GTX 1660 SUPER (グラフィックスメモリ容量 6GB) |
ストレージ | PCIe x4 M.2 SSD 512GB |
無線LAN | 非搭載(※BTOカスタマイズで搭載可能) |
有線LAN | 1000BASE-T対応 |
電源 | 出力650W(80PLUS BRONZE) |
公称本体サイズ | 220(W)×440(D)×480(H)mm |
公称本体重量 | 約14kg |
OS | 64bit版Windows 10 Home |
価格(税別) | 11万9980円 (税込 13万1978円) |
拡張にも余裕のあるSK Standardケースを採用
XA7C-G60Sが採用するPCケースは,
GALLERIAオリジナルの「SK Standard」です。
このPCケースは,
以前に4Gamerで紹介したGALLERIA ZA9C-R38とまったく同じものです。
そのため,
PCケースの詳細については,
過去記事を参照してもらうとして,
ここでは簡単に紹介します。
XA7C-G60Sの公称本体サイズは,
220(W)×440(D)×480(H)mmとなっています。
ミドルタワーサイズのゲーマー向けデスクトップPCとしては,
ごく一般的なサイズと言えますが,
初めてゲーマー向けPCを購入する人は,
「大きいな」と感じるかもしれませんが,
黒一色のPCとは異なり,
側面や天面のシルバーが圧迫感をやわらげていると思います。

PCケースの前面部,
黒いフロントパネルの周囲にはLEDイルミネーションを配置しており,
ASUS製の設定ソフトウェア「Armoury Crate」を使えば,
任意の色や発光パターンで光らせることが可能です。
また,
フロントパネル上部にあるI/Oインタフェース部分は,
斜めにカットしたようなデザインとなっており,
PC本体を床の上に置いたときなどに,
USBポートやサウンド関連の端子を抜き差ししやすい仕様となっています。
ここには,
USB 3.2 Gen1 Type-Aポートが4つと
マイクおよびヘッドフォン用の3.5mmミニピン端子が並んでおり,
USBポート同士の間隔も広いので,
いろいろなUSBデバイスを取り付けやすいです。

周囲にカラーLED
イルミネーションが
埋め込まれており,
写真では青く光っています
左側面パネルには,
本体内部が確認できるアクリル窓があります。
XA7C-G60Sの標準仕様では,
とくに光る内部パーツはありませんが,
将来そうしたPCパーツを組み込んだときにも無駄にはなりません。
青いメッシュ状の部分は吸気孔です
本体上部は,
ほぼ全面がメッシュ加工のパネルとなっていて,
通気性を高めています。
PCケース内部には,
フロントとリア,
天板側のそれぞれに,
1基ずつ140mm径で静音仕様の空冷ファンが備え付けられていました。
3つも大型ファンが付いているわりに,
静音ファンと謳われているだけあって,
ゲームのプレイ中もファンの音はほとんど気になりません。

着脱可能なメッシュ状の
パネルとなっています。
パネルを取り外せば,
内部のフィルタを外して
掃除できる仕組みです

SK Standard採用の上位モデルと構造は変わりません
背面と天面(左),前面(右)に計3基の空冷ファンを備えています。
天面と前面に液冷クーラー用のラジエータを取り付けることも可能と,
冷却システムの拡張性にはかなり余裕があるのは評価できる点です
背面側には,
USB 3.2 Gen2 Type-CとUSB 3.2 Gen2 Type-Aが1つずつ,
USB 3.2 Gen1 Type-Aが2つ,
USB 2.0 Type-Aポートが4つと計8つのUSB端子を用意しています。
キーボードやマウス,
ゲームパッドなど,
USB端子を使うデバイスは多いだけに,
前面と背面合わせて12個のUSBポートがあるのは嬉しいところです。

マザーボードのI/Oパネル部分には,計8つのUSBポートがあります。
なお,USBポートの側にあるDisplayPort端子やHDMI端子は,
XA7C-G60Sでは使用できません
eスポーツタイトルでXA7C-G60Sの実力を実証
それでは,
XA7C-G60Sを使って実際のゲームにおける実力を検証していきましょう。
今回のテストでは,
XA7C-G60Sを筆者所有の24.5インチ,
解像度1920×1080ドット,
垂直最大リフレッシュレート144Hz対応の
液晶ディスプレイに接続して使用しました。
XA7C-G60Sのスペックで,
ゲームをプレイするのにちょうどいい仕様のディスプレイでしょう。
PCをディスプレイやキーボード,
マウスなどと接続したら電源オン。
爆速で起動するあたりは,
PCIe接続SSDの性能と,
余計な常駐ソフトが入っていない
ゲーマー向けPCのシンプルなソフトウェア構成のおかげか。
テストに用いるゲームは,
定番のeスポーツ向けFPSである
「Apex Legends」と「VALORANT」です。
どちらの推奨動作環境も,
XA7C-G60Sは余裕で満たしています。
テストでとくに注目したのは,
プレイ中のフレームレートです。
いかに滑らかにゲームが動き,
快適にプレイできるかを体感で確認するだけでなく,
NVIDIA製ソフト「FrameView」も利用して,
どのくらいのフレームレートが出ているか
数値でも確認できるようにしました。
なお,
各タイトルのグラフィックス設定は,
GeForceユーザー向け無料ソフト
「GeForce Experience」による最適化を行った状態で実行しています。

ゲームのフレームレートを
表示している様子
FrameViewを起動すると,
ゲーム画面上にリアルタイムでフレームレートの情報が表示されます。
表示する場所は,
画面の4隅で任意で変更可能です。
表示内容は,
「AVG」が平均フレームレートで,
「90TH」「95TH」「99TH」は,
それぞれ記録したフレームレートのうち,
90パーセンタイル,
95パーセンタイル,
99パーセンタイル値を示しています。
要は,
フレームレートが低いときはどれくらいまで下がるかの目安となる値で,
99THに「60」とあれば,
99%のフレームが60fps以上で描画できていることを示します。
つまり,
事実上の最小フレームレートであると理解していいです。
ほかにもGPUやCPUの動作クロックなどを表示していますが,
今回は,
プレイ中にどのくらいのフレームレートが出て
快適にプレイできているかを確認するのが目的なので,
AVGと99THだけチェックしています。
最初にプレイするのはApex Legendsです。
GeForce Experienceによる最適設定は以下に示すとおり。
GeForce Experienceの最適設定は,
ゲームを最も高画質かつ快適に動かすためのセッティングを
自動的に行うためのものです。
それがほとんどの項目で最高の設定となっているということは,
XA7C-G60SがApex Legendsをプレイするうえで,
十分な性能を有するマシンであることを示すものと言えるでしょう。
バトルロイヤル系FPSであるApex Legendsは,
広大かつ複雑なマップと,
最大60名ものプレイヤーが参加することもあって,
相応に高いマシンスペックを要求されるタイトルです。
ゲーマー向けPCで遊ぶゲームとしては,
スペックで快適さが変わりやすいもののひとつと言えます。
早速ゲームをプレイして,
FrameViewでフレームレートを計ってみましょう。
まずは,
1人で「射撃訓練場」を試してみます。
平均フレームレートは,
おおむね90~105fpsくらいの数値が出ていました。
場合によっては80台くらいまで落ちることはありますが継続的ではなく,
各パーセンタイル点でも90~100fpsくらいの数値をたたき出しました。
PS4版Apex Legendsは最大60fpsで固定,
場合によっては50fps程度まで下がることもあるので,
XA7C-G60Sは,
PS4の倍近いフレームレートでコンスタントにプレイできているわけです。

次にトリオで参戦してみましたが,
終始,
射撃訓練場でのプレイよりも高いフレームレートを記録しました。
平均フレームレートは,
おおむね100~115fpsくらいなので
見た目的に大きな違いはありませんでしたが,
映像のカクツキも,
ラグも感じない快適なプレイができました。
PS4やローエンドクラスのゲーマー向けPCでプレイしているプレイヤーには
明確にアドバンテージが取れるでしょうし,
画質設定の差はあるでしょうが,
ハイエンドのゲーマー向けPCと比較しても
不利になることはないと言えるレベルです。
プレイ中の様子を,
GeForce Experienceの録画機能で撮影したので,
参考までに掲載しておきます。
次にVALORANTをプレイしてみましょう。
VALORANTは,
5対5で対戦するチーム戦FPSです。
1つのステージはそれほど広くなく,
プレイ人数も全部で10人と少なめなので,
同じFPSでも,
Apex Legendsに比べると要求されるスペックは
そこまで高くありません。
GeForce Experienceによる最適化設定は以下のとおり。
ほとんどの項目で最高値での設定となっています。
まずはプラクティスモードの射撃テストからプレイしてみましょう。
画面が射撃テストモードに切り替わった瞬間,
フレームレートは300オーバーを記録しました。
各パーセンタイル点も260~290くらいを示しており,
極めて優秀な数字を叩き出しています。

サムネイルをクリックして,
左上のフレームレートを確認してほしいです
次に,
オンライン対戦の「アンレート」をプレイしてみました。
いわゆるメインとなる対戦モードですが,
ここでもフレームレートは高く,
3~4人集まって爆破や銃撃戦による画面効果が出ている場面でも,
220fps以上を記録していました。
最小フレームレートとなる99パーセンタイル点を見ても,
160以上は出ていたほど。
この結果からすると,
XA7C-G60SとフルHD解像度,
144Hz表示のディスプレイでVALORANTをプレイすると,
常に最大のフレームレートで表示できるでしょう。

ここでもフレームレートは200fpsを優に超えています
VALORANTもプレイ中の動画を撮影しておいたので,
確認してほしいです。
プレイしているのと同じPC上で録画しているとは思えないほど,
高いフレームレートが出ているのが分かるはずです。
当然ながら,
プレイ中にカクつきを感じることはなく,
終始滑らかに動いているので,
本作をプレイするのにXA7C-G60Sは十分な性能を有すると言えます。
ゲーマー向けPC初心者が手にするPCとしては,
十分に合格点を与えられるでしょう。
ゲームPCでeスポーツデビューを狙う人にお勧め

今回はXA7C-G60Sで2つのタイトルをプレイしてみましたが,
プレイに支障をきたすような問題は起こらず,
操作感はむしろ上々と感じました。
ゲームをプレイしていて,
PC側が原因となるストレスを感じたことはないので,
XA7C-G60Sは,
人気のeスポーツタイトルを遊ぶのに十分な性能を有すると言えます。
BTO標準構成価格が13万円台前半と比較的安価な点も,
ゲーマー向けPCの最初の1台として最適な1台です。
せっかくのスペックが宝の持ち腐れにならないように,
本製品に加えて高リフレッシュレート表示に対応する
ゲーマー向け液晶ディスプレイや,
ゲーマー向けキーボードとマウスなども同時に用意すると,
より快適なPCゲームライフを送れることでしょう。
引用元:https://www.4gamer.net/games/029/G002975/20201126030/
まとめ
僕はゲーミングPCを持っていません。
遊びたいタイトルが出てくるなら、
買ってもいいかなと思っていました。
いろいろ調べてみるとこの記事にたどり着きました。
初心者には手の届きやすい値段設定かつ、
コスパも優れているので選択肢の一つとなりそうです。
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