『鬼滅の刃』が示した、深夜アニメから国民的ヒットが生まれる条件

現代ビジネスによりますと、

“令和初の国民的ヒット作”として注目を集める
『鬼滅の刃』――。

普段アニメや漫画をみないという人でも、
その名前を一度は耳にしたことが
あるのではないでしょうか。
現在大人から子供まで幅広い層に支持されながら、
その人気は社会現象とまでいわれる
盛り上がりをみせているそうです。

世間にはエンタメコンテンツが溢れ、
人々の興味も細分化されている現代において、
このような国民的ヒット作は、
どのようにして生まれたのでしょうか。
ブームの火付け役となったアニメに焦点を当てながら、
盛り上がりの軌跡を辿りつつ探ってみます。

『鬼滅の刃』とは

吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)氏による
漫画『鬼滅の刃』は、
人を喰う「鬼」の棲む大正時代を舞台に、
鬼にされた妹を人間に戻すため、
鬼狩りの組織に入った主人公が、
仲間と共に元凶である「最初の鬼」に
立ち向かうという和風剣戟奇譚です。

週刊少年ジャンプで2016年から連載されていた本作は、
アニメをはじめ、
小説や舞台などのさまざまなメディアミックス展開を経て、
ブームのさなか、
5月18日に堂々の完結を迎えました。

連載期間は4年となりますが、
現在のような盛り上がりをみせはじめたのは
ここ1年ほどのことで、
社会現象とまで呼ばれるに至ってからは、
まだ半年もたっていません。

このムーブメントが生じる一番のきっかけとなったのが、
昨年4月から9月にかけて放送されたテレビアニメでした。

アニメ化の影響:潜在的なファンの発掘

アニメ化をきっかけに、
原作漫画の人気が高まるのは
一見普通のことのように思えますが、
『鬼滅の刃』に関しては、
これまでのヒット作とは一線を画していました。

特筆すべきは、
アニメの放送開始を機に急増した、
原作漫画の累計発行部数の推移です。

アニメ放送開始直後の累計発行部数は500万部と、
決して少なくはないのですが
他のジャンプ作品と比較して本作だけが抜きんでている、
という数字でもありませんでした。

ところがその後、
アニメ放送終了直後の10月には、
2倍以上の1200万部を突破します。
ここまでならば、
まだよくある“アニメ化効果”
と呼べるものだったかもしれません。

しかしその後も勢いは止まることなく、
昨年12月には更に倍以上の2500万部を突破し、
年明けには4000万部、
そして今月上旬には6000万部と、
アニメ放送開始から1年ちょっとという短期間で、
累計発行部数が約12倍になるという
驚異的な推移をみせたのです。

これは同じ部数の推移(1000万部→6000万部)
にかかった時間を比較すると、
世界累計発行部数1億部の
「進撃の巨人」を超える早さで、
昨年1年間だけでみると、
作品別のコミックス売上数も、
世界累計発行部数4億7000万部のお化け作品
「ONE PIECE」を超えるほどのものでした。

(累計発行部数(公式発表からのみ把握できる数字)を基に、
連載開始時点を0として、
発表が確認できた時点での発行部数を
国内・世界累計混合で作成したイメージ図。
2020年5月8日現在。
筆者寄稿「発行部数が1年半で16倍『鬼滅の刃』が愛される3つの理由
段階的にファンを増やして『尻上り』」を基に筆者が加筆)

このことからはアニメ化が、
漫画の連載だけでは届かなかった
『鬼滅の刃』の潜在的なファンにまで、
本作の存在と魅力を知らせるきっかけになったことも、
大いに窺えます。

深夜アニメ発の国民的作品に

こうして本作を国民的ヒット作に導いたテレビアニメですが、
それが深夜アニメであったことも、
注目すべき事項です。

同じくアニメ化もされたジャンプ作品の中で、
「ONE PIECE」や「ドラゴンボール」あたりは、
現在の『鬼滅の刃』と同様に、
普段アニメや漫画をみない人でさえ、
その名前を耳にしたことがあるような
国民的ヒット作といえるでしょう。

しかし「ONE PIECE」や「ドラゴンボール」は、
(アニメ化以前からの知名度の差もありますが)
今よりもテレビ視聴の習慣が盛んだった時代から、
視聴者の多い朝や夕方の時間帯に、
何年も放送されることで、
アニメファンや漫画ファンの枠を超えた
国民的な認知度を獲得していったところがあると思います。

一方『鬼滅の刃』は、
YouTubeなどのオンラインプラットフォームや
スマホなどの個人デバイスが普及し、
アニメの視聴環境も多様化する現在、
視聴者層が限られる深夜に、
たった半年間放送されただけにもかかわらず、
国民的ヒット作へと成長したのです。

人々の視聴環境の変化や、
放送時間帯の違いに加えて、
エンタメコンテンツの多様化や、
人々の興味の細分化もあって、
現在はアニメに限らず
「老若男女誰もが知っている国民的ヒット作」
というのは、
なかなか生まれにくい状態だと思います。

そんな中、
『鬼滅の刃』はどのようにして、
深夜アニメでありながら、
アニメファンや漫画ファンの枠を超えて認知される
国民的作品となったのでしょうか。

ブームの条件:口コミ+後追いができる配信環境

現在の『鬼滅の刃』ブームがアニメ放送を機に
始まったというのは間違いないのですが、
実は昨年4月の放送開始当初は、
他のアニメより抜きんでて大人気ということは特になく、
現在のような社会現象が起きる兆しも
まだみえませんでした。

変化が現れはじめたのは
1クール目が終わるかというタイミングで、
その頃から徐々に女性のアニメファンからの人気が高まり、
2クール目の最終話が近づく頃には性別問わず
アニメファン全体へとその盛り上がりが
広がっていきました。

そしてさらに、
その時期ハマった人々からの口コミは
アニメファンの枠を超えて、
娘にオススメされた親が、
部下にオススメされた上司が……
という形で広がっていき、
現在の社会現象に通ずる人気の伝播が
起こっていったのです。

近年、毎クール新作アニメは40~60本を超え、アニメファンでさえ“0話切り”(1話もみずに視聴候補から外すこと)することも多く、「おそ松さん」や「ポプテピピック」などのように1話が“バズ”って話題にならない限り、ヒット作が生まれるのは難しい傾向にありました。

それにもかかわらず『鬼滅の刃』が上記のように、
話数が進むごとに徐々に視聴層を広げるような
盛り上がり方をみせたのには、
視聴者によるSNSでの口コミと、
それをみて作品を後追いする人々のための
配信環境が充実していたことが、
なにより大きかったと思います。

爆発的な盛り上がりは見せなかったものの、
視聴していた作品ファンからの
アニメへの評価は1話目からかなり高く、
SNSで発信されたその評判は、
話数を重ねるごとに、
作品を視聴していなかった人々にも
徐々に伝わっていきました。

そうして気になった人たちが放送途中から本作を
“後追い”したいと思ったときに、
本作は20を超えるプラットフォームでの配信や
毎月の一挙配信などによって、
リアルタイムでは逃してしまった潜在的な作品ファンを、
後からしっかり配信で取り込むことができていたのです。

それはアニメの放送が終わり半年以上過ぎた現在も
効果を発揮しているようで、
繰り返し視聴するファンに加え、
最近になって評判を知った人も
次々と後追いをしているのか、
Netflixでは未だに本作が再生回数トップ10の
常連となっています。

もちろん、
それだけ高評価な口コミが生じ、
その評判を聞いて後追いをする人がハマるほど、
本作が魅力ある作品であったことが大前提なので、
同じような環境が揃ったからといって
そう簡単に国民的ヒット作が
生まれるということはないでしょう。

しかし、
もし今後深夜アニメからの
国民的ヒット作が生まれるとしたら、
この
「SNSでの口コミと後追いのための配信環境の充実」は、
少なくともそのための必要条件になっていくであろうことが、
今回の『鬼滅の刃』ブームからは窺えます。

原作完結後の展望

こうして深夜アニメを口火として、
ついには“令和初の国民的ヒット作”
とまでなった本作ですが、
原作漫画が完結したことで、
その盛り上がりは今後どのように
変化していくのでしょうか。

もしかしたら、
「今これだけ流行っているしチェックしておこう」
というライトな消費者層は減っていくなどして、
これまでのような社会的な盛り上がりは
徐々に収斂していくかもしれません。
しかし、
完全に終息することはないと思います。

劇場版の公開が10月に控え、
ゲームのリリースやグッズの発売、
外伝漫画の掲載など、
まだまだファンには待ち遠しい展開が
いくつも控えていますし、
これだけのヒット作となったので、
テレビアニメ第2期以降の展開も期待できることでしょう。

原作が終わってライトな層が多少離れたとしても、
既に作品にしっかりハマったファン層が
一定数生まれているので、
メディアミックス展開がなされていく間は、
まだしばらくファンによる盛り上がりは
維持されていくことが予想されます。

そのムーブメントは今後もどこまで広がり続けるのか、
“令和初の国民的ヒット作”がみせる異例の快進撃からは、
まだまだ目が離せそうにありません。

引用元:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72906

まとめ

僕も『鬼滅の刃』をアニメで見ました。
一話目からビビッときて、かなりハマりました。
クオリティが高く、
次の話が楽しみでワクワクしていました。
10月に劇場版もあるので、
沢山の人に楽しんでもらいたいですね。

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