GIZMODOによりますと、
カメラの使い方はもっと自由だ!
「百聞は一見にしかず」ってまさにそのとおりだなぁと、
最近改めて感じています。なにかのレビューを読むにしてもまず写真が見たい。
延々と詳しい説明を聞くよりも、サクッと動画が見たい。
私達の飽くなき「見たい」願望は、恐らくとどまるところを知らないのでしょう。
でもだからといって、「そんな願望満たせないよ」と諦めるわけにもいきません。
私達は、撮って映し続けるしかないのです。
この挑戦に、独自の観点から取り組んでいる企業があります。
「世界中のデータを整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」
が使命という、ネット検索の最強チャンプGoogle。
画像や映像もデータの一種と捉えたうえで、
それらの撮り方もドゥンドゥン開発しながら
データをかき集めてサービス化し続けています。
今日は、そんなGoogleに数々の「眼」をもたらした人物、
Marc Levoy(マーク・レヴォイ)をご紹介。
いまのカメラじゃ足りないからと、
もっと「見たい」が満たせるカメラを作り初めて数十年。
気づけばスタンフォード大学で様々なカメラ・プロジェクトを担い、
Googleでもリサーチ・チームでカメラを開発し、
カメラスマホなPixelをお届けする現代最高のカメラっ子に。
「究極の画作りはカメラから」、なんて言いそうなMarcを通じて、
あらゆる「見たい」を見ていきましょう。
移動せずとも見たい:ストリートビュー
Marcがスタンフォード大学にいたころ、彼はとある実験を監督していました。
「撮影した動画から一続きの画像を生成する」といったもので、
これに目をつけたGoogleはちょちょいと投資して
サンフランシスコの道を撮影できるか実験しました。
すると、だいぶ歪んではいるものの、
道からの風景がひと続きの画像として撮影できたそうです。
そう、これは、「Googleストリートビュー」の雛形。
GoogleマップやGoogle Earthを通じて、
世界中のあらゆる道の風景が見れるあれです。
たとえそこが地球の反対側でも、
近所のラーメン屋の開店時間が書いてあるのれんでも、
わざわざそこに移動することなく見れてしまう。
このハイテクな無料サービスの裏側には、Marcがいたんです。

Googleは特殊なカメラを積んだ車やバックパッカーに世界中を撮影することで、
「世界中の風景」という情報を整理しています。
災害時などは街の風景のアーカイブが役に立ちますし、
これからは自立ドローンや自動運転車の地図にも使われるでしょう。
なにせ、目を持つ人間に合わせて作られた街は、
視覚的な標識や看板が主ですからね。
カメラで全部撮ってしまえ、というアプローチはじつに合理的。
でも方向音痴としては、ARナビゲーションも早く公開してほしい!
「いま」をあとで見たい:Pixelカメラ
「あっ、いまの撮りたかった…。写真もう一度見たかった…。
誰かと一緒に見たかったー!」というのはカメラっ子の常。
それこそ、カメラが発明された初期は、大きい・重い・高いで、
なかなか携帯できず、撮影機会がとても限られて悩んだことでしょう。
ですがスマホ時代にそんな悩みはありません。
いつもポケットにカメラがありますからね、
どんな日常や非日常も切り撮れてしまいます。しかし今度は、
Instagramで「いいね」を獲得するためにクオリティーで悩む日々。
そこでスマホメーカーの各社は、
スマホカメラの性能を向上させるためにビッグマネーを投じてきました。
Googleもその一社。でも、そのアプローチは一線を画したものでしたね。
「ソフトウェア主軸」のコンピュテーショナル・フォトグラフィーを活用して、
賢いカメラの実現に注力してきました。そしてもちろん、その主導者はMarc!
ポートレートモード・夜景モード・HDRといった機能を、
いち早くスマホに取り込んできたGoogleですが、
その一歩先には常にMarcがいました。しかも年単位で。
たとえばポートレートモードだと、
その機能を搭載したiPhone 7が発売される5年も前に、
iPhone 3GSや4のアプリで同様の効果を実現していました。
その名も「SynthCam」。MarcがVersion 2.0の説明をしている動画がこちらです。
あっぱれMarc。
シングルカメラでスペックも低かったiPhoneでボケ撮影を実現していたとは。
しかもこれ、
Googleに入ってAndroid用のカメラAPIを開発する際に
「その前に一度、スマホアプリ作ってみないとね」
というノリで作られたそうです…。ちょっとMarc、カッコよすぎるよ。
でもポートレートモードだけじゃありません。
2018年発売のPixel 3で使える夜景モードも、
Marcがその2年前にAndroid機で実証していました。
それがこちら、「SeeInTheDark」アプリです。
長時間露光の代わりに短い露光を重ねているのが肝ですね。
手持ちでありながら露光が(擬似的に)長いという、
いいとこ取りな暗所撮影がついに実現。肉眼でも視認するのが難しい状況も、
三脚やら高感度センサーなしに克服できちゃいました。
カメラの処理能力が十分に向上すれば、
いずれは動画撮影にも対応するでしょう。あぁ…楽しみ!
そしてこの重ねる手法は、HDR機能でも活躍しています。
スマホだとNexus 5/6が初めて搭載したといわれているHDR機能ですが、
Marcはすでに似たようなものを
Google Glass用に「Burst Mode」として開発していました。
これらの点が指す未来はただひとつ。
たとえレンズやセンサーが小さいカメラでも、
ソフトウェアが補うことで素晴らしい写真が撮れる世界です。
なんだか、筐体サイズや重さが限られている、
スマートグラスなどのウェアラブルで活躍しそうですね。「A65」まだかなぁ。
動きながら見たい:ライトフィールド技術
Marcのカメラ愛を極めつけるのがライトフィールドです。まずは、
Googleが2018年に公開した「ライトフィールドへようこそ」をご覧ください。
これはとある風景を撮影する際に、
一定の空間に届く光を大量に記録することで、
その空間内を自由に動き回れるVR空間が再現できるというもの。
要は、6DoF(上下左右前後に移動できる)空間を再現するための技術です。
Marcは、ここで実現されていることを、
低画質とはいえ1996年に実現していました。
先見性があるとかいうレベルじゃないですね。
Marcはカメラの未来を示してくれている。そんな感じがします。
いずれライトフィールド撮影が一般的にできるようになれば、
私達は空間ごと撮影できるようになり、
VR世界とリアルの融合はさらに加速します。
リアルの空間をVRで再現することはもちろん、
今度は通常カメラの映像と
ライトフィールドカメラの映像をAIにぶち込むことで、
過去の映像から空間を再現することも可能になるでしょう。
Marcは本当に夢のような技術をもたらしてくれました。
そんな彼の活躍は、アートの世界にも及びます。
Googleブックス用にブックスキャナーのデザインに携わり、本を検索可能に。
芸術作品のスキャンにも協力していて、
ダビデ像を0.25mmの精度でデジタル化しています。
Google Arts & Cultureは、その延長線上にあるプロジェクトでしょう。
世界中の重要文献や芸術作品を、
後世で「見たい」と思った人類のためにデジタルアーカイブ化してくれているんです。
カメラが好きすぎてカメラを進化させちゃうとは、
文句なしの現代No.1のカメラっ子ですね。
ワクワクする未来をありがとう、Marc!
もっと知りたい方は、Marc Levoyのホームページへどうぞ。
Source: Google (1, 2, 3, 3, ), Techcrunch, Marc Levoy’s Home Page, Electronic Visualization in Arts and Culture/Google Books,
引用元:https://www.gizmodo.jp/2019/02/marc-levoy-the-google-visor.html
感想
僕達が持っている様々な端末には、
色んな人達の技術とドラマがあるんですね!
感慨深いです。
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